文銭・文銭無背銭類 文銭・文無背銭類

文銭は、背に「文」の字を
鋳出されているものを指し、
寛文8年(1668年)江戸
本所亀戸村で鋳造開始と
される。文無背銭は文銭と
同一面文の無背銭を指し、
正徳4年(1714年)に同じ
亀戸で鋳造開始とされたも
のと推定される。
文銭・文無背銭類

正字背文 母銭

文銭分類の基本となる
もの。
均整のとれた文字で、面文
の抑揚が顕著。「永」の肩が
右に少し突き出す。「通」の
チャクの頭から揮部にかけ
てが特に細い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会
1番30000円
文銭・文無背銭類

正字背文 通用銭

文銭分類の基本となる
もの。
均整のとれた文字で、面文
の抑揚が顕著。「永」の肩が
右に少し突き出す。「通」の
チャクの頭から揮部にかけ
てが特に細い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

1番100円
正字背文
白銅質

通用銭に白銅質が存在
する。
存在数は少ない、
全体の約10%程度。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

1番10000円
正字背文(細縁)

内径、銭文径ともに大きい。
内径は20.8mm前後。
存在数は少ない。

寛文8年(1668年) 

ハドソン 新寛永通寶図会

2番80000円
正字背文(欠サ寛)

寛のサ画左端が欠落
する。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

4番2000円
正字背文(入文)

「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字に
見える。「永」フ撓の末端に
鋳切れがあり、末端が欠落
したものもある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

5番300円
正字背文(入文手)

「文」のノ画上部が少し
短く、入文気味。
「寶」の左上の
内輪が少しく凹んで
いる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

6番300円
正字背文(短ノ文)

「文」のノ画の末端が削られ、
その分だけノ画が短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

7番1000円
正字背文(玉点文)

「文」の点が大きく、丸み
を帯びる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

8番5000円
正字背文(小文)

前掲の短ノ文ほどではな
いが、「文」のノ画の末端が
わずかに短い。
「文」の横引き右端が
わずかに削られ、その分
だけ横引きが短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

10番300円
正字背文(小文陰起文)

面文の諸所が陰起する
もの。小文に特に多く
見られるので参考までに
掲載した。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

11番700円
正字背文(狭文)

「文」の点が横引きから
離れている。
また、横引きの左右の端が
ともに削られているため
横引きが短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

12番600円
正字背文(仰文) 母銭

「文」の横引きがわずかに
仰ぐ。
「寛」の冠の点が小さい。
仰文系は、面文にも削字変化
が多く見られ、掲載銭はその
一例に過ぎない。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

14番100000円
正字背文(仰文) 通用銭

「文」の横引きがわずかに
仰ぐ。
「寛」の冠の点が小さい。
仰文系は、面文にも削字変化
が多く見られ、掲載銭はその
一例に過ぎない。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

14番500円
正字背文(仰文削用柱)

「通」の用の中柱の下部
が陰起する。
「寶」の尓の後点が
小さい。
「文」のノ画上部が陰起
する。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会


15番1500円
正字背文(仰文入文)

通称「正字入文本体」。
「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が
「入」の字に見える。
横引きは仰いでいるように
見えないが、「寛」の冠の点
が小さい特徴は仰文と共通。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

17番3000円
正字背文(勁文)

「文」の点が横引きから
離れ、末画の打ちこみが
長く尖っている。
末尾が屈曲する。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

18番300円
正字背文(勁文短尾寛)

「寛」の見の末尾が短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

19番2000円
正字背文(勁文異頭通手)

「寶」の上の谷の内輪寄りに
小点がある(勁文入文異頭
通・通称天狗寛永)と共通。
「寶」の下の内輪脇に瘤状の
小さな突起がある(勁文異頭
通・通称天狗寛永)と共通。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

22番3000円
中字背文 母銭

正字背文に似るが、文字の
太さが平均しており、「寛」の
見の後足がわずかに内側に
跳ねる。また、「寶」の尓の
後点が少し縦向きである。
「文」の点が横引きから
すこし離れる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

23番35000円
中字背文  通用銭

正字背文に似るが、文字の
太さが平均しており、「寛」の
見の後足がわずかに内側に
跳ねる。また、「寶」の尓の
後点が少し縦向きである。
「文」の点が横引きから
すこし離れる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

23番100円
中字背文(狭文)

「文」の横引きの左端が
切れ、横引きが短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

25番2000円
中字背文 (入文様)

寛文8年(1668年)

ハドソン寛永通宝図会
26番「中字背文 入文」
(未入手)
の手変り。

ハドソン 新寛永通寶図会
譜外
中字背文(玉一文)

「文」の横引きの
右端に円形の点がある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

27番2500円
中字背文(奇文)

「文」の横引き右側に
鋳切れがある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

28番1500円
中字背文(欠叉文様)

「文」の末画の打ちこみから
交差の間が鋳切れる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

30番500円
深字背文

少し深彫り、「寛」の冠の
前垂れが、正字背文や
中字背文にくらべ、少し外側
に開く。
「文」の点と横引きとの
間隔が広く、末画の打ち込
みから交差までが、
細字背文と同様に長い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

31番5000円
深字背文(破冠寛)

「寛」の冠に鋳切れがあり、
サの後画上部が
欠けている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

32番15000円
深字太一文

通称「深字欠画通」。
「通」の用の跳ねが欠ける。
「文」の横引きが太く、打込み
から交差までは少し短い。
ノ画はやや長い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

33番3000円
深字小文

深字背文にくらべ「寛」の冠
の点が横引きから離れ、
「永」の点がやや縦向きで、
柱、フ頭が仰ぐ。
「文」の横引きが短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

34番1500円
退点文

「文」の点が、横引きに対し
て、やや右に寄る。
面文が肥字である。
「寛」の見の前足が短く、
「寛」の重心が郭に対して
右に寄る。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

35番500円
退点文 白銅質

「文」の点が、横引きに対し
て、やや右に寄る。
面文が肥字である。
「寛」の見の前足が短く、
「寛」の重心が郭に対して
右に寄る。

白銅質は存在が少ない。
全体の5%程度。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

35番注:20000円
退点文(狭文)

「文」の横引き左端が削られ、
その分だけ横引きが短い。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

39番5000円
退点文(直一文)

「文」の横引きが直線的。
点が細く、横引きから
わずかに離れる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

40番1000円
退点文(小文)

「文」字がやや小さく、
点が横引きに対して、前掲
35番の退点文よりさらに
右側によっている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

42番30000円
細字背文 母銭

銭文全体が細字。
「文」字が横広で、点と横引き
の間隔が広くあき、ノ画と末画
ともに、それぞれの交差の
左側に切れ目がある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

43番20000円
細字背文 通用銭

銭文全体が細字。
「文」字が横広で、点と横引き
の間隔が広くあき、ノ画と末画
ともに、それぞれの交差の
左側に切れ目がある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

43番100円
細字背文(細縁)

内径、銭文径の大きいもの、
内径は20.60 o前後。
本銭は20.61 oである。

存在数は少ない。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

44番80000円
細字背文(破冠寛)

「寛」の冠の横引きの左右
に切れ目がある。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

45番500円
細字背文(削王寶)

「寛」のサの後画上部および
横引きの中央が鋳切れて
いる。
「寶」の王の上画、中画の
左側がともに削られている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

46番2000円
細字背文(爪文)

「文」の横引きの左端に
爪(左端が左上方向に
持ち上がる)がある。
「通」の右上の内輪が
えぐれている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

49番3000円
細字背文(入文)

「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字に
見える。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

50番10000円
細字背文(奇文)

「文」の点の下部が削られ、
その文だけ点が小さい。
「文」の横引きの左側に
鋳切れある。
「永」の末尾が少し削られ、
末画が短くなっている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

51番2000円
細字背文(奇文手入文)

「文」の横引きの中央が
鋳切れている。
また、ノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字に
見える。
「文」の右側の谷に、
小点が斜めに並ぶ。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

52番3000円
細字小文

通称「細字流文」。
繊字小文に酷似するが、
額輪せず、面背とも少し
太字。
繊字小文にくらべ
「文」のノ画が長く、末端が
郭の近くまで延びる。
「通」のチャク頭に爪がない。
当銭の彫母あるいは原母
段階でさらに細字に修正した
ものが、後掲の繊字小文
であると思われる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

53番10000円
繊字小文 母銭

通称「細字小文」 母銭

繊字系は細字系に比べ一段
と面文が細く、わずかに額輪。
繊字狭文とは、
「通」のチャク頭に爪があり
(チャク頭が反る)、
「寶」の尓の後点が少し
横向きである点が異なる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

55番15000円
繊字小文 通用銭

通称「細字小文」 通用銭

繊字系は細字系に比べ一段
と面文が細く、わずかに額輪。
繊字狭文とは、
「通」のチャク頭に爪があり
(チャク頭が反る)、
「寶」の尓の後点が少し
横向きである点が異なる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

55番100円
繊字小文(入文)

「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字
に見える。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

58番4000円
繊字小文 無背

通称「細字小文無背」。
繊字小文と同一面文で、
「文」字のないもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

59番100円
繊字狭文 母銭

通称「細字狭文」。
細字系にくらべて一段と
面文が細く、わずかに額輪。
繊字小文に比べて「文」の
横引きが短く、「通」のチャク
頭の爪がなく、「寶」の尓の
後点がやや縦向き。貝の
後足上端が、前腰に対して
やや退く。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

62番15000円
繊字狭文 通用銭

通称「細字狭文」。
細字系にくらべて一段と
面文が細く、わずかに額輪。
繊字小文に比べて「文」の
横引きが短く、「通」のチャク
頭の爪がなく、「寶」の尓の
後点がやや縦向き。貝の
後足上端が、前腰に対して
やや退く。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

62番100円
繊字狭文(入文)

「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字に
見える。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

64番8000円
繊字狭文 無背

通称「細字小文無背」。
繊字狭文と同一面文で、
「文」の字のないもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

65番100円
繊字狭文 無背 母銭
(刮去残痕)

通称「細字狭文刮去」。
「文」の字を刮去する際に、削
り方が甘いことにより、背に
その痕跡が認められるもの。
痕跡の形状は様々だが、
明瞭なものは少ない。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

66番30000円
縮字背文

通称「縮字背文濶縁」。
縮字系は、面文がやや小さく、
「寛」の見の後柱が下梁よりも
下に出ず、「文」字が縦長。
当銭は、縮字系の他のものに
くらべ「寶」の尓の前足カが
やや縦向きで細く、横引きに
接している。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

67番300円
縮字背文(横点文)

「文」の点が横向きになり、
横引きとほぼ平行である。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

69番8000円
縮字背文 無背 母銭

通称「耳白銭」。
上記67番の縮字背文と
同一面文で、「文」字の
ないもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

73番120000円
縮字背文 無背 通用銭

通称「耳白銭」。
縮字背文と同一面文で、
「文」字のないもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

73番200円
縮字背文無背(無爪文)

「永」のノ画の爪が欠落
しているもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

75番1000円
縮字広文

通称「縮字背文刔輪」。
縮字背文にくらべ銭文と輪と
の間が少し広く、「永」の跳ね
が短く且つやや縦向きであ
る。また、「文」のノ画末端と
末画の末尾がともに丸みを
帯びる。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

76番200円
縮字背文(欠叉文)

「文」の末画の打ち込みから
交差までの部分が欠落
する。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

78番6000円
縮字広文(入文)

「文」のノ画上部が欠落し、
ノ画と末画が「入」の字に
見える。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

79番15000円
縮字狭文

通称「縮字背文再刔輪」。
縮字背文にくらべ銭文と輪との
間が少し広く、「寛」の冠の点
が小さく、「寶」の尓の跳ねが
ない。縮字広文にくらべ、「文」
の横引きが狭く、ノ画の末端
と末画の末尾が尖る。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

80番200円
縮字進文

通称「縮字痩文」。
縮字背文にくらべ、銭文と輪
との間が少し広い。「文」の点
がやや縦向きで、横引きに対
して少し左に寄り、横引きの
右端が右下方向へ鋭く尖る。

通称「縮字背文再刔輪」

ハドソン 新寛永通寶図会

寛文8年(1668年)

83番400円
縮字勁文

寛文8年(1668年)

縮字背文にくらべ銭文と輪
との間がわずかに少し広い。
「通」の用の 二引き上画右側
に鋳切れがある。「文」の
末尾が屈曲し、はらいが
強調されている。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

84番1000円
縮字勁文 無背

通称「濶縁文無背」。
縮字勁文と同一面文で、「文」
字のないもの。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会
ハドソン寛永通宝図会
86番200円
島屋文 無背

通称「島屋無背」。
島屋文と同一面文であるが、
背の「文」字がない。
磨輪によって小型になった
ものがあり、細縁と混同し
やすいので注意を要する。

寛文8年(1668年)

ハドソン 新寛永通寶図会

92番8000円
文銭類似銭類
文銭類似銭類

書風は文銭に似るが、新規の
彫母銭を原型とする
無背銭。

近来の銭譜では、銀座関係
の資料から記事を抄出する
『和銭考』などのいう宝永期亀
戸銭に四ツ寶銭類を充てて
いたが、 近世遺跡での出土
状況から、それらは元禄期
鋳造の可能性が高くなった。
              →
→  したがって、
旧説で宝永期亀戸銭
とされていた丸屋銭を、
再び宝永期のものに
充てるのが現時点では
妥当と考える。
文銭類似銭類

丸屋銭

銭文が大きく、平均的な直径
も大きい。「寛」の前垂れが垂
直に近く、サ画の横引きが冠
に対して左寄りである。「通」
のコ頭の横幅が広い。

正徳4年(1714年)

ハドソン 新寛永通寶図会

95番100円
文銭類似銭類

丸屋銭(奇寛)

「寛」の前足が鋳切れる。
また、見の上梁左端が鋳切
れ、前柱から離れる。

正徳4年(1714年)

ハドソン 新寛永通寶図会

97番5000円
四ツ寶銭類
四ツ寶銭類

鋳地不明、元禄期推定。

近来の銭譜では宝永期亀
戸銭と推定しているが、

近世遺跡での出土状況から、
元禄期鋳造の可能性が極め
て高い。

宝永5年より同時に発行され
た、粗悪の丁銀「四ツ寶銀」と
同じように質が悪いという所か
ら、「四ツ寶銭」と呼ばれた。
                →
→ 四ツ寶銭は大別して、
肥字系(広永、勁永、
勁永広寛)と細字系
(跳永、俯頭チャク、座寛)
とに二分され、肥字系
は色調が黄系〜赤茶系
のものがほとんどであり、
細字系(特に、俯頭チャクと
座寛)は赤茶系〜黒茶系
のものがほとんどである。
このようなことから、肥字系
と細字系とは同一の銭座
でも鋳期が異なるものか、
もしくは異なる銭座で鋳造
されたものである可能性も
ある。
四ツ寶銭類

広永 母銭

「寛」が縦長で、見の前柱、後
柱が少し俯す。他の肥字系の
銭種にくらべて「永」ノ画が長
く、また「寶」の王が小さく、王
の下画と貝の上梁との間隔
が広い。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

99番30000円
四ツ寶銭類

広永 通用銭

「寛」が縦長で、見の前柱、後
柱が少し俯す。他の肥字系の
銭種にくらべて「永」ノ画が長
く、また「寶」の王が小さく、王
の下画と貝の上梁との間隔
が広い。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

99番100円
四ツ寶銭類

勁永

次掲の勁永広寛に類似して
いるが、「寛」の前垂れがや
や縦向きで、「永」のフ頭が
短く、フ撓があまり反ってい
ない。また、「通」の用の後
柱とチャクの折尾との間隔が
広い。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

100番100円
四ツ寶銭類

勁永広寛

前掲の勁永に類似している
が、「寛」の横幅が広く、前足
と跳ねとの屈曲部と、郭の
上辺との間隔が広く空き、
「永」の頭爪やフ爪が長い。
また、「通」の用の後柱とチャク
の折尾との間隔が狭い。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

101番100円
四ツ寶銭類
勁永広寛(破冠寛)

白川昌三氏編
「新寛永通寶カタログ」
(昭和62年)で「破冠寶イ」
としているもの。
「寛」の冠横引きに鋳切れ。
(冠点の真下)がある。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

102番500円
四ツ寶銭類

跳永 母銭

他の細字系にくらべ「寛」の
後足の跳ねが少し内側に跳
ね、「永」のフ撓末端が上に
跳ねる。「通」と輪との間隔が
広い。
なお、以下の細字系の
3種(跳永、俯頭チャク、座寛)
は、肥字系にくらべて、「寶」の
冠の横引きが郭の上辺に対し
著しく降りる特徴を持つ。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

105番80000円
四ツ寶銭類

跳永 通用銭

他の細字系にくらべ「寛」の
後足の跳ねが少し内側に跳
ね、「永」のフ撓末端が上に
跳ねる。「通」と輪との間隔が
広い。
なお、以下の細字系の
3種(跳永、俯頭チャク、座寛)
は、肥字系にくらべて、「寶」の
冠の横引きが郭の上辺に対し
著しく降りる特徴を持つ。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

105番100円
四ツ寶銭類

俯頭チャク 母銭

他の細字系と比べ「永」の
ノ爪がやや縦向き。
「寛」の冠が抱冠である。
「通」のチャク頭が著しく俯し、
寶目も俯す。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

106番35000円
四ツ寶銭類

俯頭チャク 通用銭

他の細字系と比べ「永」の
ノ爪がやや縦向き。
「寛」の冠が抱冠である。
「通」のチャク頭が著しく俯し、
寶目も俯す。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

106番100円
四ツ寶銭類

座寛

他の細字系とくらべて銭文が
小さく、 「寛」の見の下梁と郭
との間隔が狭い。「通」のチャク
頭とコ頭との間隔、寶目の
後柱と郭の間隔がいずれも
狭い。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

107番500円
四ツ寶銭類

座寛(磨輪)

座寛は特に直径にばらつき
見られるので、直径が小さい
ものの例として掲げた。
前掲の座寛に比べ輪幅がも
細くなっている。

宝永5年(1705年)

ハドソン 新寛永通寶図会

108番300円
旧猿江銭類
旧猿江銭類

鋳地不明、元禄期推定。

近来の銭譜では享保期の
鋳造と推定しているが、近世
遺跡での出土状況から、
元禄期鋳造の可能性が極め
て高い。         →
→  書風は文銭に類似
するが、やや小字で直径も
小さい。
旧猿江銭類

正字

分類上の基本としている銭種。
後掲の小字や広穿にくらべて、
寛目が縦長である。また、
小字にくらべて、寶目が縦長
である。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

110番100円
旧猿江銭類

正字(次鋳)

直径、内径、銭文径
いずれも小さい。
内径は18.90o前後。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

111番800円
旧猿江銭類

小字 母銭

正字にくらべて内径や面郭が
小さいが、名称にいうほど小字
には見えない。正字や次掲の
広穿にくらべ、「永」の頭とフ頭
の俯す角度がやや急であり、
「通」のチャク点とチャク頭との
間隔が広く、寶目が横長で
ある。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

112番20000円
旧猿江銭類

小字 通用銭

正字にくらべて内径や面郭が
小さいが、名称にいうほど小字
には見えない。正字や次掲の
広穿にくらべ、「永」の頭とフ頭
の俯す角度がやや急であり、
「通」のチャク点とチャク頭との
間隔が広く、寶目が横長で
ある。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

112番100円
旧猿江銭類

広穿 母銭

内径は正字とあまり変わらな
いが、面郭が大きく、その分
だけ銭文が小さくなってい
る。正字や小字にくらべ、寛
目が小さく横長であり、「通」
のチャクの揮部と用の前柱との
間隔が狭い。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

113番35000円
旧猿江銭類

広穿 通用銭

内径は正字とあまり変わらな
いが、面郭が大きく、その分
だけ銭文が小さくなってい
る。正字や小字にくらべ、寛
目が小さく横長であり、「通」
のチャクの揮部と用の前柱との
間隔が狭い。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

113番300円
79旧猿江銭類

広穿(次鋳)

直径、内径、銭文径いずれも
小さい。
内径は18.90o前後、
ないしはそれ以下のものを
充当する。

享保年間(1716年〜)

ハドソン 新寛永通寶図会

114番800円